虫歯治療

歯医者に行くのが苦手だという方に理由を聞くと、「独特のにおいが苦手」「治療のときの金属音が怖い」といった答えが返ってきますが、やはり、もっとも多いのが「痛いから」という理由ではないでしょうか。当院では、「痛みのない治療」にこだわり、治療の方法や麻酔の打ち方などにも細心の注意を払っています。

横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療

痛みを和らげる
麻酔のポイントとは

表面麻酔で注射針のチクッとした刺激を軽減

麻酔をする際には必ず表面麻酔を行います。表面麻酔とは麻酔薬を歯茎に塗って表面の感覚をマヒさせることです。それによって注射針を刺すときに痛みを和らげることができます。痛みがあると患者さまはどうしても緊張してしまいます。リラックスして治療を受けていただくために、局所麻酔を効果的にしようすることが大切だと考えています。

麻酔液を体温程度に温める

表面麻酔は数分程度で効果が現れますので、そこから注射で治療する歯の近くの歯茎に麻酔薬を注入します。麻酔薬は骨に浸透し、骨の中の神経に作用して痛みを抑えます。
注入する麻酔液を人の体温と同じぐらいの温度に温めることで、注射時の痛みを軽減させることができます。

細い針を使用し皮膚にあたる抵抗を減らします

注射針は太い針よりも細い針の方が皮膚にあたる面積が少なくなり、痛みを感じにくくなります。当院では、33ゲージという世界でも最小レベルの細い針を使用して、ゆっくりと薬剤を注入します。こうした工夫によって、患者さまは、ほとんど痛みを感じることなく、麻酔を受けられます。

虫歯はどうしてできるのか

みなさんは、どうして虫歯ができるのか、ご存じでしょうか。歯磨きの大切は分かっていても、虫歯ができるメカニズムまで詳しくご存じの方は、少ないのではないでしょうか。歯磨きの必要性を再認識するためにも、虫歯ができる仕組みをぜひ知っておいてください。

人の口の中には、さまざまな種類の細菌が存在しています。虫歯の原因となるのは、その中の「ミュータンス菌(虫歯菌)」です。ミュータンス菌は口の中に残った食べかすなどを強い粘り気のある物質に変え、歯にこびりつかせます。このこびりついた物質が「プラーク(歯垢)」です。プラークはミュータンス菌の巣となり、ミュータンス菌は酸を作りだします。その酸によって歯が溶かされた状態が虫歯なのです。

横浜日吉おおとう歯科 虫歯はどうしてできるのか

虫歯の進行レベルと症状

虫歯は進行状況によって、分類されます。歯科検診で歯科医が「C1」「C2」などと言い、衛生士などが書き留めているのを聞いたことがあるでしょう。

レベルの分類とその症状について説明しましょう。

1C0
横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療 C0

エナメル質は溶けていないけれど、歯が白濁している状態です。虫歯とは言えませんが、しっかり歯磨きをして経過を観察する必要があります。フッ素を塗布することで改善を図ることができます。

2C1
横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療 C1

歯の一番外側のエナメル質に小さな穴が空いた状態で、痛みなどの自覚症状はありません。穴の部分が茶色や黒っぽく見えます。経過観察をするか、穴を削って詰め物で埋めます。

3C2
横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療 C2

虫歯がエナメル質の内側にある象牙質に進行している状態です。象牙質はエナメル質と違い痛みを感じるので、冷たいものや熱いもの、酸っぱいものなどが歯にしみるようになります。ここまでくると虫歯の進行が早くなり、早めの治療が不可欠になります。

4C3
横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療 C3

象牙質の内側にある歯髄(神経)まで虫歯が達した状態です。歯に大きな穴があき、激しい痛みを感じることもあります。
治療では、虫歯に侵された部分を取り除き、被せ物をして歯の機能を保ちます。長期間の通院が必要になります。

5C4
横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療 C4

歯がほとんど失われ、歯の根だけが残された状態です。C3の状態で歯の神経が死んでしまうと痛みを感じることがなくなりますが、悪臭を発します。その後、神経に膿が溜まり、再び激しく痛むようになります。

この状態になると、歯を残すことは無理なので抜歯することになります。歯を抜いた後は入れ歯やインプラントで歯の機能を保ちます。

虫歯の危険性

虫歯を放置していると虫歯菌が歯の内部に進行し、歯の神経を侵します。そして、そのまま放置していると歯の神経が死んでしまいます。死んだ神経はやがて化膿して悪臭を放ちます。

それだけではなく、膿の中の細菌や毒素が血液に入り、血管を巡ることにもなります。それによって、関節炎やリュウマチ性疾患、腎炎、心臓病、血液疾患、皮膚病といった病気を引き起こすこともあるのです。たかが虫歯と軽視せず、早めに適切な治療を受けましょう。

虫歯の治療法と治療回数

虫歯治療について、ステージごとに治療法や標準的な治療回数を説明します。当然のことですが、ステージが進行するごとに、治療は難しくなり、通院回数が増え、費用の負担も増えていきます。

1C0

この状態は、唾液の力で再石灰化し、虫歯が治る可能性もあるため、多くの場合、経過観察とします。

当院では親知らずを抜歯する際は、親知らずと神経の位置関係や根の形などをCTを使って正確に診断します。埋まっている親知らずであっても、経験豊富な歯科医師が抜歯を行いますのでご安心ください。

また、虫歯予防のためにシーラントを行うことがあります。シーラントとは歯ブラシの届きにくい歯の深い溝などにフッ素入り樹脂を流し込み、歯垢などがつきにくくする処置です。

治療回数:1回

2C1

この状態まで虫歯が進行すると、再石灰化は期待できません。ドリルで虫歯を削り取ります。削り取った場所には、歯科用プラスチック(レジン)を詰めます。

奥歯の場合も虫歯を削り取りますが、樹脂を詰めるほか、金属の被せ物を装着します。また、金属の被せ物が気になる場合は、全額自己負担となりますが、歯と同じ色のセラミックス製の被せ物を装着します。

治療回数
レジンをつめる場合:1回
被せ物を装着する場合:2回

3C2

治療法としては基本的にC1と同じです。しかし、虫歯が進行しているので、虫歯が歯髄(神経)まで達している場合があります。その場合は、神経を抜く治療となる可能性があります。この場合は、次に紹介するC3と同じ治療内容となります。

治療回数
レジンをつめる場合:1回
被せ物を装着する場合:2回

4C3

虫歯が進行して神経まで達している場合、歯を深く削り、神経を除去する治療を行います。これを根管治療といいます。根管治療は麻酔をともなう治療になります。

治療では、麻酔が効いた後、歯をドリルで削って、虫歯に侵された部分を除去し神経を露出させます。そして、歯根の中(根管)にある汚染された神経をきれいに取り除きます。

神経を除去すると、根管内に薬を詰めて1日目の治療は終わりです。治療当日は麻酔が切れて痛みが出ることもありますので、鎮痛剤をお渡しします。

神経を抜いた歯は、噛んだときに痛みが生じることがあります。痛みがあっても、徐々に収まっていくので心配はありません。

2回目の治療は1週間から10日後になります。この間に、根管内に詰めた薬が患部に浸透します。 ここからは症状によって治療内容は変わりますが、根管内がきれいになっていれば、根管内を密封するためにゴムのような薬剤を根管内に隙き間なく詰めます。

十分に薬が効いていない場合は、再度薬を詰めて終わります。
根管治療が終われば、次からは、大きく削った歯の機能を修復するため、被せ物を装着する治療になります。歯に土台をつけるために歯を整形し、歯の型を採取しますして、当日の治療は終わります。

次回は型を取った歯に金属の土台やプラスチックの土台を装着します。 そして土台をつけたら、再び整形して型を取ります。今回は、上下の歯がしっかり噛み合うよう反対側の歯の型も取ります。

そしてこれで冠が出来上がります。この冠が整えられた歯にぴったりフィットしているか確認し、さらに噛み合わせもしっかりしているか調整し、問題なければセメントで接着させます。

治療回数:5〜7回

5C4

虫歯がさらに進行して歯の上部(歯冠)が崩壊し、歯根のみになると、もう歯を抜くしか手立てはありません。しかし、歯根が長く、ぐらつきもない歯は、C3の処置と同様に被せ物で対応できる可能性があります。

C4の状態の歯を放置していると、歯並びや他の歯にも影響を及ぼします。できるだけ早く治療を受けてください。

歯根のみになった歯を抜いた後は、失った歯を補う必要があります。方法としてはブリッジと義歯です。保険適用外の自費治療であれば、インプラントを選択することもできます。

抜歯は1回ですみますが、その後、ブリッジを選ぶか義歯を選ぶか、インプラントなどの自費治療を選ぶかによって、治療の進め方は異なります。どの方法を選ぶにせよ、失った歯の機能を補うのが目的ですから、歯科医師とよく相談して後悔のない方法を選びましょう。

抜歯を防ぐ「最後の砦」
根管治療

歯の根の中には、神経や血管が通っている管があります。これを根管といいます。

虫歯が進行して歯髄(神経)に達したり感染したりすると、根管内の歯髄を取り除いてから残った部分を消毒し、薬を詰めて細菌が入り込まないように詰め物被せ物をします。

よく「神経を抜く」と言いますが、このした治療を根管治療といいます。

根管の感染を放っておくと周りの組織にも感染が広がり、痛みや腫れが生じます。そうなると抜歯が必要になることもあり、早期に歯科医院で治療を受けることが重要です。

つまり「根管治療」が必要な虫歯は最終段階。歯にとっては、歯が抜けるかどうかの瀬戸際です。そうした状態の歯を抜かずに残すことができるよう、処置を施すのが根管治療です。いわば、根管治療は、歯にとっての最後の砦なのです。

また根管治療ではラバーダムを必ず使用して飛沫を防いでいます。

横浜日吉おおとう歯科 虫歯治療 根管治療

根管治療の流れ

  1. 歯にできた虫歯部分を除去し、歯冠から歯髄腔まで穴を空けます。
  2. リーマーやファイルというスクリュー状の針金のような器具で、虫歯菌に侵された歯髄を根管から取り除きます。根管のまっすぐではなく、人によって形状も異なるので、汚染した歯髄を取り切るには、歯科医師の技術が問われます。
  3. 歯の中を薬剤で消毒した後、歯髄腔と根管に充填物をすき間なく詰め、雑菌が入らないようにします。
  4. 被せ物を支えるための土台を固定します
  5. 金属やセラミック製の被せ物を装着して、歯の機能を保ちます。これで治療は完了です。

治療後は虫歯予防と定期的な健診を

根管治療を行った歯は、治療によってダメージを受けます。一度ダメージを受けた歯は、もう元のように回復することはありません。それだけに、根管治療を行った歯は、再び虫歯が再発しないよう丁寧なケアが大切です。もちろん、歯周病にも注意が必要です。
虫歯や歯周病を予防するために、しっかりとした歯磨きと定期的な健診を心がけましょう。